家族としてできることの、
選択を迫られた時、
果たして正しい答えはあるのか?
「人魚の眠る家」は大人気のミステリー作家、東野圭吾さんがデビュー30周年を記念して執筆された作品です。
そして2018年11月に篠原涼子さんと西島秀俊さんたち主演で映画化されました。
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サイト管理人のMira.Buleと申します。
「人魚の眠る家」は脳死がテーマになっていますが原作者の東野圭吾さんはこの作品を「自分が書いていいのか」と悩んでいたそうです。
自分の家族がもし脳死と言われたら?
どう決断するだろうか?
簡単に答えが出せないからこそ、死に対して・・そして生きることを真剣に考えさせられる内容になっています。
娘の脳死が疑われる状況で両親の感情がどう変化し、どう表現していくのかが見どころになっていますが、映像化の作品とともに原作のあらすじをまとめましたので詳しく見ていきましょう。
今回は以下のような内容でご紹介しています。
人魚の眠る家原作と映画で少女に起きた悲劇
人魚の眠る家原作で薫子は幸せと言える?
人魚の眠る家原作と映画で描かれた結末
個人的な本の感想そして作品の内容を詳しく書いています。
あくまでも参考程度にご覧ください。
この記事の目次
人魚の眠る家原作と映画で少女に起きた悲劇
幸せな生活が突然変化する。
その現実にどう立ち向かえば良いのか、
今は全くわからない。
人魚の眠る家原作と映画の登場人物紹介
原作の登場人物を映画と比較していきましょう。
お話のメインである播磨薫子を篠原涼子さんが演じます。
瑞穂と生人の母親で、夫和昌の浮気が原因で家庭崩壊しかけた時に瑞穂の事故が起こります。
脳死状態の娘のため在宅介護をし、最新の科学を駆使し瑞穂の命をつなぎます。
人生の全てを注ぎますが、どんどん周りが見えなくなる狂気的な篠原涼子さんの演技が凄いと話題になっています。
もう1人のメインである播磨和昌を西島秀俊さんが演じます。
瑞穂と生人の父親で、株式会社ハリマテクスという障害者のサポートをする最先端技術を開発する会社の社長ですが、瑞穂の延命のために会社の研究者や機器を利用することから歯車が狂います。
若き研究者である星野祐也を坂口健太郎さんが演じます。
株式会社ハリマテクスの研究者ですが、播磨夫妻から頼まれ最先端のBIM技術を使って瑞穂の体を動かすことに日々時間を費やしますが、どんどんプライベートを犠牲にし薫子と一緒に瑞穂の体を動かすことに生きがいを感じます。
星野の恋人である川嶋真緒を川栄李奈さんが演じます。
株式会社ハリマテクスで働く星野の恋人ですが、様子がおかしい恋人の行動を尾行し播磨家との親密な関係に気づきます。
そこで意識のない瑞穂の体が動く光景を目にし、星野がしている研究を不安に思います。
薫子の母親である千鶴子を松坂慶子さんが演じます。
薫子の母ですが、瑞穂がプールで事故にあった時気づかなかったことを後悔し、一緒に在宅介護を手伝います。
薫子の妹である美晴を山口紗弥加さんが演じます。
薫子の妹で、娘の若葉がプールの事故で何か知っているようですが最後までそのことは判明しません。
ただ同じ母親として薫子とのことを明るく支える存在になります。
薫子の娘である播磨瑞穂を稲垣来泉ちゃんが演じます。
薫子と和昌の長女ですが、プールに事故に遭い意識不明のまま脳死状態になります。
ほぼ眠ったばかりの状態はかなり難しい役だったと思います。
薫子の息子である播磨生人を斎藤汰鷹くんが演じます。
薫子と和昌の長男です。
瑞穂との姉との仲は良かったですが、事故で瑞穂に全てを注ぐ母を見て気持ちに変化が出ます。
和昌の父親である播磨多津朗を田中泯さんが演じます。
株式会社ハリマテクスの創業者で、今は社長も会社も、全て息子に任せて隠居生活を送っています。
今回の孫娘のことを心配していますが、娘のために会社を私物化し一線を超えてしまった息子和昌に対して苦言を呈します。
最初に瑞穂を診た医師の進藤を田中哲司さんが演じます。
瑞穂が意識不明で運ばれた病院で臓器提供について話をした医師です。
登場は少ないですが、重要な役割の1人です。
人魚の眠る家原作と映画で前向きな選択
株式会社ハリマテクスの社長である播磨和昌と結婚した播磨薫子は、2人の子供が授かりましたが夫の和昌の浮気が発覚します。
娘の瑞穂が小学校受験を終えたら、離婚をする決意をしていました。
そして薫子と和昌は瑞穂の受験で面接の予行練習をするため学校を訪れていたときに2人に悲劇が起こります。
瑞穂がプールで溺れたと聞き、病院に駆けつけると薫子の母・千鶴子と妹の美晴が先にいました。
集中治療室にいる瑞穂のことを祈り続け、ようやく治療が終わり医師から告げられた言葉に愕然とします。
瑞穂は脳に大きなダメージを受けているため意識が戻らない可能性がとても高いと告げられ、今後の治療も延命措置になるという状況を2人はなかなか受け入れられません。
すると医師の進藤は、
「臓器を提供する考えはありますか?」と尋ねます。
子供が脳死の場合、両親が臓器提供について決断しなくてはなりませんでした。
そして2人は一晩考えますが、結局ある理由で臓器提供を拒否します。
なぜなら瑞穂の手が少し動いたように感じていた薫子は、奇跡を信じる気持ちが残っていたのです。
そこから家族の苦悩の日々が続きましたが、1か月がたっても状態は安定していていたので薫子は在宅介護をすると言い出し、母の千鶴子と一緒に介護の練習をします。
金銭的な問題もあったので、和昌との離婚は白紙に戻し薫子と和昌は瑞穂のために再び一緒に歩き出しました。
一瞬暗闇から進み出したように見える新たな生活はこれからどんな影響を与えていくのでしょうか?
人魚の眠る家原作で薫子は幸せと言える?
守りたいものは人を変える。
たとえ間違っていると周りに言われても、
変えることは容易ではない。
人魚の眠る家研究者としての立ち位置
瑞穂は人口呼吸器をつけているので呼吸は安定していますが、見た目はあまりいいものではありません。
そこで研究者の星野から提案されたのが、呼吸をコントロールする横隔膜のペースメーカーです。
横隔膜の筋肉に刺激を送り機械を埋め込んで手術をすれば、自然な形で呼吸できるので見た目がとてもシンプルですし、眠っている普通の女の子に見えます。
そして無事手術も成功し一緒に過ごせる幸せや世話をする達成感が薫子のやる気を上げます。
ただまったく動かない瑞穂の筋肉は衰える一方だったので和昌に相談をすると、研究者の星野は神経を電気で刺激し脳が機能していなくても瑞穂の体を動かすことができるという装置を瑞穂につけました。
ただその装置を素人が扱うのは難しかったので、社長の和昌の命令により装置の開発者星野を播磨家に招き入れます。
瑞穂の筋力トレーニングを始めて1か月が経過し、順調に筋肉がついてきたころ・・。
会社の従業員たちが噂をしていました。
脳死状態の瑞穂に意味があるのか?ただの自己満足ではないのか?
そんな声が聞こえてきましたが、薫子にとって娘はこれからも回復すると信じてる彼女を見ていくうちに星野は周りの反応を全く気にすることなく更に改良を重ねていました。
プライベートを犠牲にする中で、星野には付き合って2年の川嶋真緒という恋人がいました。
最近そっけない彼の行動に疑問を持った真緒は星野を尾行すると、播磨家にたどり着きます。
仕事の帰りに再び来てみると薫子と偶然会い、星野の話をすると中に入れてもらいますが、脳死状態の瑞穂の姿を見て真緒はその場から思わず逃げ出してしまいます。
それから星野と真緒の関係はますます離れてしまいました。
人魚の眠る家薫子にとって長男の存在
事故から早くも2年以上の月日が経ちますが、薫子と母親の千鶴子は変わらず介護し、研究者である星野も瑞穂をみてくれていました。
ただ夫の和昌だけは瑞穂が目を覚ますことがないこの状況に違和感を感じていました。
そして長男の生人は「姉は生きている。」と聞かされていたので、普通に接していましたが周りの反応は違いました。
同級生からはお姉さんは死んでる、気持ち悪いと言われていじめられそうになります・・。
そんなある日薫子は生人の誕生日会を開くということで、家族や研究者の星野を招きますが生人の友達がなかなか来ません。
生人に話を聞いてみると、実は誰も誘っていないことが判明します。
薫子はきっと機器を使って瑞穂が生きていることを証明してみせるはず。
そんな姿を見たら友人たちは怖がって、帰ったかもしれない。
それが原因でみんなからいじめられるかもしれない。
そう思った生人は友人を呼ばない・・という選択をしましたが、薫子にとっては納得ができませんでした。
生人を叱りつける薫子をみて和昌は、
「自分の価値観を息子や周囲に押し付けることは間違えている」
と言いさらに医師の進藤からは、テストを受ければ脳死判定になるとはっきり告げます。
つまり瑞穂はもう死んでいるということ?
薫子はこの言葉にショックを受け、床に顔を埋めますが・・・そのあと思いもしない行動にでます。
人魚の眠る家原作と映画で描かれた結末
家族の進む道が間違っていたら、
誰が教えるべきなのか?
それは真実を告げることだ。
人魚の眠る家禁断の選択
和昌やみんなが慌てると、突然警察に電話し到着した警察の前でこう言います。
もし自分が瑞穂を殺せば殺人罪は適用されるのか?と・・
瑞穂は脳死判定は受けていません。
つまり今現在生きている人間ということ・・でも周りは死んでいる人という目で見ています。
警察は答えに困りますが、誰一人正しいことは言えません。
薫子は殺人という罪が認められれば、瑞穂が溺れたあの日から今のこの時間まで生きている人間ということになります。
そして包丁を振り上げたその瞬間・・やめて!という声が響き渡りみるとそれは美晴の娘、若葉でした。
彼女は泣きながらこう話します。
瑞穂はプールの底に沈んだ若葉の指輪を拾おうとしてそのまま溺れてしまった・・
それは悲しい事実でした。
事実を知った薫子は驚きますが少しずつ冷静さを取り戻し包丁をテーブルに置きます。
そして若葉を抱きしめ、警察はその場を後にしました。
その後生人の誕生日会を再開し、瑞穂を見つめると彼女が寂しげに笑ったように見えました。
人魚の眠る家瑞穂が伝えたかったこと
物語は穏やかに終わりを迎えようとしています。
瑞穂がもうじき4年生になる3月31日、薫子の枕元には瑞穂が立っていました。
夢なのか、現実なのかわかりませんが、
とても幸せだった。
ママありがとう。
元気でね。
・・・と聞こえた気がしたので、薫子は「さようなら」と告げると気配はすぐに消えました。
その後、瑞穂は急変し病院に運ばれます。
そして薫子は和昌に臓器提供に同意しようと告げます。
昨夜瑞穂との別れがきちんとできたので、後悔はありません。
事故から3年以上経過しましたが、2回テストが行われ瑞穂の脳死は確定しました。
これでようやく瑞穂の死を受け入れることができます。
ここで問題なのは死亡時刻です。
通常は2度目の脳死判定が終わった瞬間という規定がありますが、薫子にとっては瑞穂が夜中自分のところに来た日だと主張します。
そこで死亡診断書は規定通りの日にち、葬儀の命日は薫子の希望で3月31日になりました。
人魚の眠る家最初と最後に登場した少年の正体
人魚の眠る家ではプロローグとエピローグ、そして全編6章で話が構成されています。
プロローグでは宗吾という男の子が小学校の帰り道に風で帽子が飛ばされ、ある屋敷の中に入ってしまいます。
するといつも閉まっていた扉が開いていたので、急いで帽子を見つけ出ようとした時・・
カーテンが開いていたので、中の様子を覗いてみると車椅子に乗った1人の少女が眠っていました。
部屋には赤いバラが飾らせていて不思議に思いましたが、彼女は足が悪くて歩くことができない人魚なんだ、だから屋敷でかくまってもらっているんだと思います。
宗吾という男の子は最後エピローグ再びで登場します。
最初に登場した宗吾ですが、じつはあの後に重い心臓病を発症し移植が必要な体になっていました。
国内では移植は難しいので海外で手術となると、かなりの資金が必要です。
諦めかけましたが奇跡的にドナーが見つかります。
それは瑞穂が提供してくれた心臓でした。
そして手術が成功した日は3年前の4月2日・・
彼はリハビリを終えると、昔見たお屋敷と車椅子に乗った女の子がどうなっているのか気になり行ってみます。
でも屋敷はすでになくなっていました。
自分に命を再び吹き込んでくれた人はどんなひとなのか考えていました。
たまに宗吾は薔薇の香りを感じるのは何か意味があるのでしょうか?
じつは瑞穂の部屋は薔薇の香りでいっぱいだったのです。
その事実を知ることはありませんが、きっと心臓の元の持ち主は幸せだったと宗吾は思いました。
以上、
人魚の眠る家」原作と映画のあらすじ|家族が最後に選んだ道
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