最初で最後の旅がここから始まる。
ナナとサトルの優しい優しい物語。
「旅猫リポート」は、有川浩さんの作品で2012年に発売されました。
文芸書や文庫だけでなく子供向けの児童書や絵本も発売されていて、日本だけではなく６カ国語で翻訳されるほど大人気。
2017年には朗読劇として上演され、2018年10月には福士蒼汰さん主演で映画化されています。
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買取スタッフつぶやき管理人のMira.Buleです。
「旅猫リポート」のお話はタイトルで分かるように、サトルという飼い主と猫のナナがある理由で旅にでますが、基本
「僕」（サトルはナナと命名していますが…）という猫の目線で話が進みます。
ナナはもともと野良猫でしたが、なぜサトルと生活をするようになったのでしょうか？
そしてなぜサトルは、ナナを手放さなくてはならなかったのでしょうか？…真実はラストにありました。
この記事でわかることは、
旅猫リポートナナは人間みたいな感情がある？
旅猫リポートのナナが見るサトルの過去
旅猫リポートでナナや映画の出演者を知りたい
※個人的な本の感想そして作品の内容を詳しく書いています。あくまでも参考程度にご覧ください。
この記事の目次
「旅猫リポート」ナナは人間みたいな感情がある？
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
――と仰ったえらい猫がこの国にはいるそうだ。
そのえらい猫がどれほどえらかったのか知らないが、
僕は名前があるという一点においてのみ、
そのえらい猫に勝っている。
（「旅猫リポート」より引用）
旅猫リポートナナとサトルの出会い
車に轢かれ瀕死の状態だった野良猫を助けたのが、サトルでした。
そしてその野良猫が主人公であるナナです。
猫が大好きだったサトルは、尻尾の形が数字の7に似ていたことから、ナナと命名し一緒に生活することに…。
長い間野良猫として生きてきたのでプライドが高く、なかなか人に懐かないナナでしたが、なぜか猫の気持ちを理解する心優しい青年サトルには気を許していました。
ナナの目線で話が進みますが、サトルに対して命の恩人という想いが強くあったのでしょう。
喜ばせようと、面白くなくても楽しそうにするところは、猫なのに人間らしいというか、すごく感情が宿っていますよね。
そして次第に気持ちを通わせ、2人は最高の相棒になり、気ままに生活していました。
ところが5年が経ち、サトルはある理由からナナを手放さなくてはならなくなり…。
そこには切ない、そしてサトルのナナに対する想い・深い愛情があったからこそ旅に出る決意をします。
旅猫リポートでサトルと一緒に旅に出る
ナナはサトルの乗っている銀のワゴン車がお気に入りでした。
そんな大好きなサトルと一緒に旅に出ることは、素直に嬉しいこと。でもその旅はただの旅ではありません。それは…
新しい飼い主を探す旅。
つまり、サトルと離れ離れになることを意味していたのです。
二人で暮らした５年、お互い気ままなパートーナーとしてやってきたのに…。
でも…悲しいことばかりではありませんでした。
野良猫だった時には、絶対見ることができなかった景色を、二人で一緒にみることができたからです。
しかしそんな時…旅の途中で出会う動物たちがなぜか、サトルの体を心配していました。
そう…。
なぜ二人は離れ離れにならないといけないのか？
…ナナは薄々気付いていました。
そしてこの旅ではナナの飼い主探しが目的でしたが、旅をする中でナナが知らないサトルの生きてきた過去の軌跡を見ることができたのです。
旅猫リポートのナナが見るサトルの過去
過去を知った時もっと愛おしく感じた。
サトルが「僕」を助けてくれた訳、そして、
もっと君と一緒にいたいと心の底から思った…。
旅猫リポートでナナが気づいたこと
ナナの飼い主候補は4人。
サトルが信頼している大切な友人たちです。
まずはじめは…小学生のときの同級生コースケの元を訪ねました。
2人が幼いころ、ハチという猫を拾いサトルがハチを飼うことになりましたが、このころサトルは両親を事故で亡くし、ハチを手放すことになります。
そしてユースケを尋ねると、
猫を飼えば、猫好きの妻が帰ってくるかもしれない。
…という不純な考えを持っていました。
でもナナは、
そんな考えの持ち主のところには行きたくない！
と猛反対。結局ナナをそのまま連れて帰ることに…。
次に会ったのは、子猫を飼っている中学校のときの同級生ヨシミネでした。
でも子猫のチャトラと相性が合わず、一緒に飼うのは無理と判断…。実はナナがサトルと一緒にいるために、わざと芝居をしていたんですね。
ふたたびナナを預けることを断念。
最後は高校のときの同級生だった初恋相手のチカコ、そしてスギを訪ねましたが、結局ナナの作戦により失敗。
ナナが新しい飼い主を認めないというより、サトル以外の飼い主は考えられないということでしょう。
サトルももちろん残念に思いましたが、同時にホッとした気持ちもありました。
2人の絆は強かったですね。
久しぶりに会った友人たちは、成長していて環境はお互い変わっていましたが、共通するのは今でも猫と縁があるということでした。
旅猫リポートのナナの想いの先にあるもの
最後にたどり着いたのは、サトルの叔母ノリコのところでした。ノリコは猫が苦手でしたが、事情を聞き受け入れてくれることに。
これからまたサトルと一緒だ！
喜んだのも束の間。サトルと一緒に居れる時間は残りわずか…。彼は癌を患っていました。
サトルが必死に行き先を探していたのは、ナナを1人にしたくなかったからだったんですね。
一緒に過ごせる時間が過ぎていくなか、徐々にサトルの入院生活は長くなり、とうとう病院の庭でナナに別れの言葉を告げます。
それを聞いたナナは車から飛び出しノリコの家を出て、また一人…ではなく、サトルを近くで見守るため野良猫に戻りました。
病院の周辺で暮らせば、いつもそばでサトルを見守ることができます。ナナはそれから毎日サトルが散歩で出るたびに顔を出し…。
2人の絆は途切れることなく…最後の最後まで2人は一緒でした。
旅猫リポートでナナや映画の出演者を知りたい
僕のリポートはもうすぐ終わる。
それは決して悲しいことじゃない。
僕らは旅の思い出を数えながら、
次の旅へ向かうんだ。
先に行った人を思いながら。
後から来る人を思いながら。
そうして僕らはいつかまた、
愛しいすべての人々と地平線の向こうで出会うだろう。
（『旅猫リポート』より引用）
旅猫リポートで悲しみだけではなかった？
旅の本当の目的は、サトルがこの世を去る前に、大切な人たちとお別れしておくためと、ナナと最後の時間を過ごすためだったんですね。
終始出てくる、サトルに対するナナの愛情こもったセリフは心を打たれます。
余命１年の宣告を受け、わずか３０年という短い人生の中で、本当なら悲しみしかなかったかもしれません。
でも彼を愛してくれた大切な人たちの存在。
そしてナナに出会った奇跡。
しあわせの形は人それぞれですが、少なからずサトルとナナにとっては本当に幸せだったと言える人生だったのではないでしょうか？
旅猫リポート物語は映画でどう描かれる？
引用：映画「旅猫リポート」公式サイト
ロケ地情報も出ていましたので、ご覧ください。↓
http://www.city.bungotakada.oita.jp/page/page_04130.html
私も今現在猫を飼っていて、昔は別れも経験しています。
だからこの本を読んで少し悲しくなりましたが、ほっこり温かい気持ちになりました。毎日忙しく過ごす中で、疲れたらそっと読んでほしい１冊です。
以上「旅猫リポート」でナナを手放す理由が泣ける…サトルとの絆に感動！でした。このページを最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
